
オーストラリアで栄養学を学びたいなあ。でも、どんな学校があるんだろう?



オーストラリアで栄養士を目指したいけど、日本の大学や専門学校のように栄養士・管理栄養士養成施設はたくさんあるのかなあ?
おそらく、オーストラリアで栄養学を学びたい方・留学したい方、またはオーストラリアの栄養士を目指したい方にとっては、まずこのような疑問が湧いてくるのではないでしょうか?



今回はオーストラリア国内での栄養学部・栄養士専攻のある大学について解説していきます。
- 筆者は留学エージェントではございません。自らの経験と、実際にオーストラリアの大学に入ってからわかったことや、入学前に知りたかったことなどの体験記をもとに、記事を掲載しております。
- オーストラリアの医療・栄養系の大学・大学院留学に興味がある。
- オーストラリアの医療・栄養系の大学・大学院留学に興味があるが、どんな学校があるのか知りたい。
- 日本の大学や専門学校のように栄養士・管理栄養士養成施設はたくさんあるのか知りたい。
- 留学エージェントではなく、実際に留学した人のリアルな情報が知りたい。
オーストラリアと日本、どこが?何が違うのか?
オーストラリアと日本の大きな違い
オーストラリアと日本では、Nutritionist・Dietitianになるまでの道のり、そして資格取得後の流れが日本とはかなり異なります。ざっくり説明すると、このようなイメージです。


こちらの記事でオーストラリアと日本の違いを詳しく説明していますので、まだご覧になってない方は先に目を通してみてください。


日本の場合:栄養士・管理栄養士資格取得後は一生使える
日本では高校卒業をして、栄養学に興味がある方や栄養士・管理栄養士になりたい方の進路としては、下記3つのルートが、栄養士・管理栄養士養成施設として厚生労働省で認められています。
-
短期大学
- 卒業と同時に栄養士/実務経験3年後 >>管理栄養士国家試験受験
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専門学校
- 3年:卒業と同時に栄養士 /実務経験1年後 >>管理栄養士国家試験受験
- 4年:卒業と同時に栄養士/卒業時 >>管理栄養士国家試験受験
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大学 4年制
- 栄養士専攻:卒業と同時に栄養士 /実務経験1年後 >>管理栄養士国家試験受験
- 管理栄養士専攻:卒業と同時に栄養士/卒業時 >>管理栄養士国家試験受験
オーストラリアの場合:資格取得後は生涯学習が必須。
オーストラリアでは、DAA (The Dietitians Australia)1と呼ばれる、いわゆる日本で言う日本栄養士会のような組織に認可された大学のコースを終業することが条件です。
そのほとんどは大学となり、専門学校や短大等は含まれておりません(図2)。オーストラリアの大学はコースにもよりますが通常3〜4年制です。筆者の場合は、ウーロンゴン大学のNutrition Science コース(3年制)を受講していました。
また、オーストラリアでは卒業後に国家試験というものは存在しないため、卒業後にDAA (The Dietitians Australia)1のAPDプログラムに参加しなければ、Dietitian (APD)になることができません。そして、無事にDietitian (APD)になっても、毎年、指定のスキルアップや実務経験を継続していなければ資格を維持することができないんですね。
- 経験が豊富なDietitianや大学教授レベルの人が所有しているAPDのレベルは、下記の図で示しているAdvanced APDsが多いです。
私もこの辺りはまだ未知の世界なので、大学院等の実習や講義でこのあたりを詳しく勉強するのを楽しみにしていますが、一つハッキリ声を大きくして言えることは、栄養士の資格を維持するために、
知識とスキルを上げることに努力しなければ、生涯にわたり資格維持ができない
ということです!これが、日本との大きな違いです。


オーストラリアで栄養学を学ぶ・栄養士を目指すには
Nutritionist・Dietitianになるためのコースを開講している大学へ入学
オーストラリアでNutritionist・Dietitianになるためのプログラム・コースを開講している大学はDAA (The Dietitians Australia)2と下記の留学エージェントサイトで詳しく紹介されているので、参考にしてください。
サイト | DAA (The Dietitians Australia)2 | ICNオーストラリア留学情報館マガジン3 |
URL | Accredited nutrition and dietetics programs | DAA認可コース |
情報の最新さ | 2020年9月時点の情報 | |
情報の正確さ | る | 全てのコースについて記載がない 記載の授業料やその他のサービス費が、COVID-19後の影響もあり 変更が生じている可能性がある。 |
ここで、いくつか注意していただきたいことがあります。それは、上記の表で記載した情報の最新さと情報の正確さ。
例えば、ICNオーストラリア留学情報館マガジンのサイトで、筆者の在籍するウーロンゴン大学の情報を確認したところ、DAA認可コースはBachelor of Nutrition and Dietetics(Honours)のコース一つのみ3の記載です。



Bachelor of Nutrition and Dietetics(Honours)に入るしか、dietitianになる方法はないの?



ここが留学エージェントサイトの情報の正確さ不足が見られます。実際には、ウーロンゴン大学では、Bachelor of Nutrition and Dietetics(Honours)以外にも下記のコースがDAAに認定されています。2
- Bachelor of Nutrition and Dietetics (Honours) 4年制
- Bachelor of Nutrition and Dietetics (Honours) (Dean’s Scholar) 4年制
- Master of Nutrition and Dietetics 2年制
上記の3つのコースは、卒業後そのままダイレクトにDAAのAPDプログラムに参加できるという意味であり、筆者のようにBachelor of Nutrition Scienceを卒業後に、Master of Nutrition and Dietetics 2年制に入学するという進路もあります。
4年制と3年制大学の違い
筆者の在籍するウーロンゴン大学では、1年生〜2年生まではぼぼ全て同じことを勉強し、3年生になり履修する科目が4科目のみ違いが出てきます。これは、Bachelor of Nutrition and Dietetics (4年制)の生徒は、最終学年に実習+研究があるため、3年生の段階で、実習で必要なカウンセリングスキルを身につけたり、臨床での症例についての授業があり、選択科目はありません。


なぜ4年制ではなく3年制を選んだのか?



では、なぜ筆者がBachelor of Nutrition and Dietetics (Honours) 4年制ではなく、Bachelor of Nutrition Scienceに入学したのか?
についてズバリお答えします。
実は、入学する前にウーロンゴン大学から頂いてオファーは、Bachelor of Nutrition and Dietetics (Honours)-4年制でした。がしかし、よくよく考えたのです。
Honoursとは成績優秀者が大学から特別にもらえる称号のようなもので、オーストラリアでの大学生活始まる前に、成績優秀のまま卒業なんて絶対にできない
なんで私に!Honoursの称号が与えられてるの? (プレッシャーでしかない!笑)まずは、大学生活を送ってみないことには何もわからない。
※おそらく、留学生にはこのHonoursが与えられるようなイメージ。なぜなら、4年制の方が学費が取れるからだと勝手に思っています。
4年制は、お金も時間も節約
できるかもしれないけど、卒業学位はBachelorのままだよなぁ。すでに日本での管理栄養士の社会経験もある。社会人留学をしているからこそ、今後のことを考え、大学院まで進むことを視野に入れた方がいいかも?もし仮に、成績が良いままなら、大学2年時に編入するチャンスがあるみたいだから考えよう
※成績優秀どころが、本当にパスできるか大変な科目があって編入どころではなかったです。
Bachelorなのに日本では馴染みのないHonoursの称号はいらない!笑。でした。
大学に入学してから、クラスの仲間や友達と“結果、どっちの学位がいいか?”という話題 になるたびに、
“同じ専門職で、全く同じスキルを持っている。片方は大学卒業、もう片方は大学院卒業。さてどっちを採用したいか?”
答えは、大学院卒業の人材を選ぶよね。っと納得することがあり、特に社会人経験ある年齢の生徒の意見は、ほぼ筆者と同じような意見でした。
後者じゃない?おそらく、栄養系大学・3年制と4年制の選び方
オーストラリアの栄養系大学・3年制と4年制 迷ったら【参考】
人それぞれ様々な色々な考えがあるので、一概には言えませんが、下記のようなイメージを参考にしてみてください。
Dietitian ではなくNutritionistを目指す | 3年制 | Nutritionist | |
学位よりも、お金や時間を節約したい方 | 4年制 | Nutritionist&Dietitian | |
大学院の学位を目指す方 | 3年制 | 卒業後大学院 | Nutritionist&Dietitian |
日本の大学学位がある場合 | 大学院編入 | Nutritionist&Dietitian | |
卒業からすでに10年以上経過している方 | 4年制 or | Nutritionist&Dietitian | |
卒業からすでに10年以上経過している方(筆者) | 3年制 | 卒業後大学院 | Nutritionist&Dietitian |
各大学それぞれのコースによって多少異なりますが、3年制のコースを開講していない大学等もあるようなので、ご自身で確認するか、英語に自信のない方は、留学エージェントの担当様に相談して確認してもらうのがベストかと思います。
留学エージェントを頼り切らない
留学エージェントの担当の方に相談するのはとても良いことですが、留学エージェントのかたは栄養業界の専門知識や日本の栄養業界に精通する方ではございません。はじめに相談を持ちかけた=留学に興味があると判断されるので、悩みの解決というよりは、オーストラリアで栄養学コースを開講している大学の紹介メインになってくるかと思います。
筆者の場合ですが、こんなことがありました。
【日本とオーストラリアの大学別の特徴・個性を知りたかった時】
授業料の比較や、“スポーツ栄養に強い・サイエンス色が強い大学”のような解答しか得られなかった。
- 例1:入学後に、UOWに編入してきた数名の学生が、○○大学はオーストラリアでトップレベルだけど、栄養・医療系の講義の質は最悪。などの話を聞いた時、こーゆう情報は、留学エージェントは知っているのか?( と疑問に。私は結果的にUOWを選んで本当に大満足しているので、留学エージェントの担当の方にはとても感謝はしていますが、もし◯◯大学に行っていたら、“講義の質を疑う前に自分の英語力の未熟さ”を先に疑って、授業についていけなくなっていたかもしれません。)
- 例2:入学前に、他の留学生の生の声が聞けなかった(栄養系の生徒の前歴がなかったため)のは残念だった。
【大学別カリキュラムの詳細・明確なパスウェイを知りたかった時】
オーストラリアでdietitianになるための、明確なパスウェイを把握されていなかった。
おそらく、オーストラリアで栄養学科に入学希望する日本人留学生が少ない・業界的に情報が少ない・看護等に比べて情報発信してる人が少ない・専門知識を持っている人がいない・等で、試行錯誤で情報を手探りしていたような感じがありました。実際、入学してから
- 例:学部3年制から大学院入学する生徒が多く、3年制と4年制、大学院入学のメリットなどをハッキリ理解した。
留学エージェントが教えてくれないこと
【留学エージェントは、あくまでも斡旋会社である】と言うこと
- 日本の管理栄養士資格を保有していない場合、オーストラリアで栄養士になっても栄養士としては日本では働けない。チャンスが減ると言うこと。
- 日本の健康・栄養・医療産業や、栄養に関するポリシーやシステムを全く知らずに留学することは、何も知識を持たずに、オーストラリアにくると言うこと。自分の国のことも知らないのか?と言うふうに見られる可能性がある。
日本人で留学している以上、“日本はどうなの?”と比較されることが数多くあります。
これは、日本は一応、ある程度の経済国であり、医療システムは整っており恵まれている国だからです。
特に栄養分野では、世界寿命が世界トップであるが故、大学の教授や栄養学を学ぶ仲間も割と日本の食事や医療システムに興味がある人が多いです。
特に栄養分野に関しては、オーストラリアに来てから日本とオーストラリアのそれぞれに対して優れている点・劣っている点を理解することができました。筆者が一番、オーストラリアに来てよかったと思う点は、これです。この比較ができるのは、日本での経験があるからで本当の強みでもあります。
ですが、このようなことを、留学エージェントの人はクライアントに言いません。なぜなら、単純に彼らは知らないからです。=医療者・栄養士ではないからです。
私としては、高校卒業してすぐにオーストラリアの大学に学びに来るメリットは多くあると思います。早い段階で来れば来るほど語学面で私のように苦労しないかもしれないと思うからです。
ですが、将来日本に戻る・戻らないと言うことを加味しても、個人的にはオーストラリアで学ぶ前に、まずは日本のことを知ることが大切かと考えています。(例えば、自らの挫折や家族の事情など何かあって日本に戻る場合、日本でのスキルがあれば、いつでも戻ることはできる。と言う安心感がある。)
日本のカリキュラム内容を考えると、正直、調理メインであったり、本当にこれは必要なのか?と思うことは多々ありますが、日本とオーストラリアでは食文化が全く違います。
食べているもの、売られているもの、全て違います。いきなり、オーストラリアの食文化をメインに栄養教育を受けると、日本で生まれ育っている方なら特に、欧米での栄養教育しか知らないこととなり応用が効かなくなる可能性があるんではないかなぁ。と思います。
日本語と英語ができて、初めてプラスαになるのと同じで、オーストラリアの栄養学や栄養教育だけを知識として学んでも、日本のことは一切わからない。というふうになってしまうと、将来的に、日本人バックグランドを持っている立場からすると、少し残念な感じがします。
ですので、もし、オーストラリア留学をしたいと思っている方は、大学4年制のあとに大学院へ編入する形や、短大でも専門学校でも、社会経験を積んで来られると、オーストラリアではかなりプラスになることがあるかもしれません。
筆者のように、軽く1000万円以上の投資になりますで(笑)、よく慎重になって考えて見ましょう。
- ‘About us | Dietitians Australia’, n.d., viewed 31 January 2023, https://dietitiansaustralia.org.au/about-us.
- ‘University programs | Dietitians Australia’, n.d., viewed 21 February 2023, https://dietitiansaustralia.org.au/working-dietetics/university-programs.
- ‘【大学留学】オーストラリアで栄養学を学び、世界で活躍できるDietitianを目指す<DAA認可コース>’, 2020, September 16, Retrieved from https://blog.johokan.jp/australia-nutrition-and-dietetics/.


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