【オーストラリア栄養士が徹底解説!】欧米で学ぶ、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて&健康リスク

ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて&健康リスクについて

日本の栄養士・管理栄養士教育課程で学ばない/ 管理栄養士も知識不足シリーズ第1回目。

ベジタリアン・ヴィーガン・ペスカトリアンなどの言葉を聞いて、ハッキリその違いを答えられる医療従事者(栄養士や管理栄養士含む)が日本にはどれだけいるでしょうか?

先日、母校の栄養学部教授の先生方と、日本とオーストラリアでの栄養学生が学ぶカリキュラムについて話させていただく機会をいただきました。

私が学生だった頃、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットと言う言葉すら、日本人にとってはあまり馴染みのないもので、学校で学ぶ機会はありませんでした。ですが、“さすがに今の世代は、何かしらの授業で学んでいるだろう。”と 筆者も少し期待していましたが、やはり、現在でもカリキュラムにも含まれておらず、私の母校の大妻女子大学ではほとんど学ぶことがない。と言うことでした。

ですので、今日はベジタリアン・ヴィーガンについて詳しく解説していきます。

  • 医療関係者や栄養士・管理栄養士の人に、特に参考にしてほしい内容ですので、専門用語や難しい内容を含みます。
この記事でわかること
  • ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて興味がある
  • ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて、どんな種類があるのか知りたい
  • ベジタリアン・ヴィーガンダイエットの宗教的な背景とは?
  • ベジタリアン・ヴィーガンダイエットの健康リスクとは?
  • ベジタリアン・ヴィーガンダイエットのメリット・デメリットとは?
Contents

英語のDiet は日本のダイエットの意味ではない

まずはじめに、ダイエットの意味の違い

  • 日本語のダイエット:減量目的や痩せるために、食事制限や運動をすることを一般的に指すのに対して、
  • 英語のダイエット食事スタイルや、食事方法のことを指し、減量の意味ではない
    • (英語)ベジタリアン・ヴィーガンを取り入れた食事習慣や食事スタイル
    • (英語)バランスの取れた食事 /スタイル / Eating a balanced diet
    • (英語)健康的な食事 / スタイル

まず、ここを勘違いしないようにしてください。

ベジタリアン・ヴィーガンダイエット(種類)とは

まず、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットとは、治療目的のダイエットではなく、食事スタイルと言い換えた方がわかりやすいかもしれません。また、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットを行う人々の中には、宗教的な背景や信仰上の理由も含まれています。

主なベジタリアン・ヴィーガンダイエットの種類

図1は欧米で主流となっている主なベジタリアンダイエットとなり、ヴィーガンダイエットはこの中に含まれます。

名前も少しずつ異なり、食べて良いもの・制限しているものが多少違うんですよね。ですが、基本的には動物性食品以外のところは制限がされていません。

オーストラリア栄養士_ベジタリアン・ヴィーガンダイエットの種類やリスク
図1:主なベジタリアンダイエットの種類1

ここでクイズです
ハチミツは動物性だけど、ヴィーガンになるでしょうか?

はちみつは動物性ですが、答えはNOです。

Plant Based Newsによると2、“honey is made by bees for bees” と言うことで、言い換えると

  • 天然のはちみつ蜂によって作られるが、はちの生態系のために作られ人間のためではない。
  • 乳製品・卵・動物性の肉類現代の生産プロセスが、すでに人間のために大量生産されているもの。

そのため、ハチミツはヴィーガンと見なされないとのことで、食べてもOKとされています。

オーストラリアでは、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットをフォローしてる人は、環境問題や動物愛護目的で実践している人も多いため、そのような方は、大量生産されたハチミツよりも値段は少し高価でも、天然のハチミツを好んでいる方が多いように個人的には感じます。

その他のベジタリアンダイエットの種類

図2で記載したベジタリアンダイエットは、先ほどご紹介したベジタリアンダイエットと合わせて、代表的なものです。

日本古来の伝統的な和食は、白米や雑穀米を主食とし、魚や魚介類がメインとなり、植物性食品の旬の野菜が副菜になる。といったペカトリアンに近いものかなぁと感じます。

オーストラリアも海に囲まれているのですが、日本のように新鮮な魚・魚介類を手にすることがなかなかできないためか、あまりペスカトリアンと自ら宣言している人は少ないように感じますが、ほぼ野菜や植物性の食品が中心だけど、時と場合によっては動物性食品も食べれるよ、と言うようなプラントベースダイエットを実践している人は、筆者の周りでも割と多いです。

オーストラリア栄養士_ベジタリアン・ヴィーガンダイエットの種類やリスク
図2:その他のベジタリアンダイエットの種類3

なぜ日本では未だに浸透していないのか?

民族的な背景

日本人は単一民族で多民族ではない背景もあり、また宗教的にも割とおおらかであるため、特別大きな制約がなく、自由に食事を選べるということも関係しているのではないかと思います。

日本人に馴染みのある仏教でわかりやすく比較例を挙げると、

  • 台湾の仏教徒 (35.1%):僧侶をはじめ、多くの仏教徒はベジタリアン。4
  • 日本の仏教徒 (43.0%):肉食は許されており、食に関する禁止事項がみられるのは、一部の僧侶と厳格な信者に限定される。

同じ仏教という宗教でも、国を跨げば食ルールや食文化が変わるということです。台湾の仏教でいうと、日本と比較するとやはり、信仰深い国民性のため、宗教と食事はかなり密に関係しており厳格とも言えますよね。

日本:専門知識を持った専門家が少ない

オーストラリアの場合

一般人をはじめ、栄養学生でヴィーガンの生徒もとても多いです。そして、一番感心するのは、栄養士としての専門家や教授陣の中にも、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットをフォローしている人が本当に多い。と言うことです。

栄養学生は学生時代から、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットを学びながら、合わせて生理学も同時に学び、“なぜ動物性食品が不足すると鉄欠乏性貧血になりやすいのか?”というふうに、鉄の吸収や葉酸の働き、ビタミンB12の機能を総合的に勉強します。

また、オーストラリアの栄養学生は大学で、SDGs(持続可能な開発目標)について1年次から徹底的に学び、栄養士に必要なことや、栄養士が介入していかなければいけないことなどを学びます。なぜ、プラントベースダイエットが環境保護やSDGsの目標を達成に結びついていくのかは、次章で説明しています。

まとめ:ココが日本と違う

  • 専門家が実践しており、信用度が高い
  • 堂々と公言し実践しているが、ちゃんとリスクも把握して管理している
  • 周囲からの偏見や知識不足による偏った考え方がほとんどない。
  • プラントベースダイエットと地球環境保護、SDGsの関わりを学ぶ
  • 栄養士の役割は、健康維持のためや疾病予防のための栄養のスペシャリストだけでなく、公衆栄養の面でもスペシャリストが多い。

日本の場合

筆者の母校では現在も、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて詳細を学ぶ機会はないようです。

  • 学校によっては学ぶ施設があるかもしれません。

日本の栄養士養成過程は、厚生労働省のカリキュラム・ガイドラインに添って学ばなければいけないため、ベジタリアン・ヴィーガンダイエット等について学ぶことが、このカリキュラムに入ってない可能性が高いです。その為、もちろん深く掘り下げて学ぶ環境がないため、栄養学生も“名前だけ知っている”レベルで、たとえ管理栄養士になっても、このエリアについて専門知識がないまま世の中に出ていきます。

日本では必須で学ばなければいけないことが、欧米の教育課程ではまず学ばないことがたくさんあり(例:調理実習など)、日本のカリキュラムのベースは、少しずつ変化はしていても、根本はおそらく何十年も変わっていないのではないでしょうか?

もちろん、日本の栄養士の方が断然優れているスキルもありますが、世界基準の栄養学知識を知っているか、いないか、と言うな指標(欧米基準)で考えると、日本人栄養士の知識は、やはり日本でしか通用しないものが多く、欧米圏とどんどん開いてしまっているように感じます。

また、学校でも勉強する機会がない為、例えば医師や他の医療従事者から相談があった場合なども、提供できる情報に限りがあり、管理栄養士の知識が少ない・レベルが低い”と言われることもあります。

  • 筆者の体験では、明らかにアメリカの栄養士や研究者との知識のレベルが違いすぎて、力不足どころが、何一つ言いたいことは言えないことが多々ありました
栄養士養成過程管理栄養士
  • 何十年も変わらないカリキュラムを勉強している可能性大。 
    • 欧米圏では当たり前に学ぶ、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについても学ぶ機会がない
    • i.e. 鉄欠乏貧血については勉強するが、ベジタリアン・ヴィーガンダイエット等と関連させて学ばない。
  • “名前だけ知っている”レベルになってしまう。
社会的に見ると
  • “最新”の栄養学などという言葉に惑わされたり、資格があることで就職に有利というような日本の社会的背景で、一般の人が栄養関連の民間資格を取得する傾向が強い。
  • 専門資格がなくても、健康・栄養に関する内容を誰でも発信できる日本。(=規制がない)
    • i.e. 国家資格を持った管理栄養士ではなくて、民間資格で知識と資格を得た方が情報を発信できるエビデンス有無や、情報の信頼性や信憑性に欠けている場合でも規制ができない。
  • また、日本ではいまだに欧米かぶれ的な文化があり、欧米から栄養関連のトレンドが流れ込んでくると日本人はやたら敏感になる。特に、
    • i.e. “ハイウッドスターが実践の○○ダイエット”とか
    • i.e. 海外在住の芸能人やモデルさんが実践中の“ヴィーガンダイエット”などという言葉に若い世代は特に興味を持つ。

まとめ:ココがオーストラリアと違う

  • 専門知識があり、さらに中立な立場で評価し、情報発信をしている人が少ない
  • 専門家ではない人が、ヴィーガンやベジタリアンダイエットについて、多くの情報発信をおこなっている。
    • 仮に、専門資格を保有せず民間資格のみの方がヴィーガンについてのメリットを情報発信をしても、専門的な医療従事者のような立場の人からすると、あまり信用してもらえず(内容にもよりますが)、専門家にとっても、ヴィーガンは“一時の流行り”とか、“欧米スタイルの食事方法”のようなイメージのままになってしまう。

環境保護や動物愛護への意識の違い

図3を見て分かる通り、オーストラリアをはじめ欧米圏では、国民一人当たりの食肉(動物性食品)の摂取量は引き続き高く、それに伴う動物性食品の生産プロセスの過程や環境問題が問題視されています。また、過剰な動物性食品の摂取が肥満をはじめとする生活習慣病や疾病との関連で深刻な問題を抱えていることは日本人にも馴染みがあるかと思います。

Which countries eat the most meat? どこの国が肉類を一番消費しているのか?ベジタリアン・ヴィーガンダイエット
図3:Which countries eat the most meat?食肉の摂取量の国別比較ついて5

例えば、World Resources Instituteの統計によると、動物性食品は植物性食品に比べてより多くの環境的な資源を必要とすることがわかります。(図4)全て英語なので図5で簡単にまとめています。

図4:Animal-based Foods are More Resource-Intensive than Plant-Based Foods 6

特に人間のための生産される家畜の中で特に牛の場合は、土地だけではなく水や二酸化炭素の排出量ともに高く、私たち人間の摂取量が増えれば増えるほど、家畜も増やさなければいけないこととなり、地球環境への問題が深刻化すると言うことが一目瞭然です。

日本の食肉の摂取量を見ると十分に赤い色に染まっており、企業や社会がSDGsに向けて動くのなら、栄養士や管理栄養士として食に携わる専門家としてはもっと大切なエリアのはずなのですが。。。なぜ日本のカリキュラムでは、食を通して関連するSDGsについて深く学ばないのか、またカリキュラムに組み込まれてないのか疑問です。

地球環境保護の観点から見るベジタリアン・ヴィーガンダイエット
図5:地球環境保護や動物愛護の観点から見るベジタリアン・ヴィーガンダイエット

2050年までには、世界人口が100億人に達することが予想されてます。国連からはSDGsと合わせて、“How to feed 10 billion people”7=どうやって100億人に食事を与えるか?という課題も出ており、この辺りのトピックは、今後も欧米圏では課題とされ、日本もこの辺りはしっかり知識を高めていく必要があるかと思います。

まとめると、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットをフォローしてる人は、環境問題や動物愛護目的で実践している人も多いため、一概に、自身の健康のためだけにおこなっているというわけではありません。

和食文化や日本食が浸透しているから

日本では和食や日本食が一般的に浸透していることや、“すべてのものをバランスよく摂取すると言うのが栄養バランスとして結びついていますよね。これが日本人にとってベジタリアンダイエットがあまり親みがないポイントかなぁと考えます。

戦後から急速に深刻化したと言われている日本人の食事スタイルの変化=“食の欧米化”。ですが、欧米圏に住んでいると、そんな変化している日本人の食事やスタイルも、“まだまだ、欧米のレベルとは競うことなどできないほど健康的!”だと感じてしまいます。

欧米の場合は、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットを行う人の中には、(上記で挙げた動物愛護や環境保護目的以外で)自身の健康へのために、プラントベースを中心とした食事習慣を持つ人が非常に多いです。

これは何が言いたいかというと、欧米では意識をしないと不健康になりやすい食文化があるということです。日本人の好む食事や食文化は、そこまで大きな意識をしなくても、小さな意識や気遣いで自然とですが、欧米の食文化と比較して不健康になりにくい(油の摂取量や動物性食品の量など)食事をすることや手にすることができる点、あえて、ベジタリアン・ヴィーガンと言うスタイルを取らなくても健康的な食事を摂取したり、保つこと実現しやすいのが重要なポイントなのかなぁと思います。

ベジタリアン・ヴィーガンのメリット・デメリットとは?

ベジタリアン・ヴィーガンダイエットは生活習慣病を予防することが期待できる

筆者が大学で学ぶ中、教授から紹介していただいた論文や目を通した研究リサーチをもとにご紹介します。

メリットデメリット
健康的メリット
研究① (Baden et al. 2019)8
健康的なBMIを維持しやすい (i.e. 肥満や体重過多になりにくい)8
糖尿病になるリスクが低下した8
心臓病になるリスクが低下した8

研究②9
健康的なBMIを維持できた
22-25% 心臓病の死亡率が低下が見られた
28% 心臓病の罹患が低下が見られた
総コレストレロールの低下が見られた
HDLコレステロールの低下が見られた
27% 糖尿病の発症率が減少した
8% がんの発生が減少した(ベジタリアン)&
15% がんの発生が減少した(ビーガン)(死亡率は減少しなかった)

環境的・その他のメリット
SDGs (持続可能な開発目標)へのゴールに向けて個人レベルで意識・実践できる
地球環境保護・動物愛護につながる
宗教や道徳的な考えによる実践など
健康的デメリット
研究③10

43% 脳卒中のリスクが上昇
バランスの偏ったプラントベースダイエットは、あらゆる原因による死亡が20%増加した
HDLコレステロールが低下した (女性のみ)
各種ビタミン・ミネラルの不足
 ビタミンB12
 ビタミンD
 カルシウム
 
 亜鉛
 ヨウ素
 オメガ3系 PUFA

ベジタリアン・ヴィーガンを実践するメリット・デメリット

海外の研究では、ベジタリアンやヴィーガンのようなプラントベースのダイエットを行うことで、適正なBMIの維持や、生活習慣病を大きく関わりのある心臓疾患・糖尿病のリスクを下げることが発表されています。

日本人の場合は、もともとHDLコレストレロール値が、諸外国の人と比べて高いというような研究もあります。そのため、同じ研究を日本人を対象とした場合に必ずしも同じような結果ができると限りませんが、ポイントは、動物性食品を制限し、植物性食品をメインに食事をとると、動物性脂質のコントロールがスムーズに行うる上、血中の脂質やコレステロールにもつながりやすいという研究結果が多くみられます。

また反対に、ベジタリアンやヴィーガンダイエットは、動物性食品に豊富な各種ビタミンの不足する傾向が多く、総コレステロールやHDLコレステロールも同時に減るため、脳卒中のリスクが上がると発表されています。

このように、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットを行うことでのメリット・デメリットがそれぞれにあるため、実践する場合はしっかりとメリット・デメリットや健康リスク(次に説明)を理解した上で、実践することが大切です。

ベジタリアン・ヴィーガンダイエットの健康リスク

動物性食品を主に制限すベジタリアン・ヴィーガンダイエットでは、特に動物性食品に豊富に含まれるビタミン・ミネラルが不足しがちです。

ここでは、例として、葉酸(図6)とビタミンB12(図7)の摂取量の違いをダイエット別で比較してみます。

ベジタリアン・ヴィーガンダイエットのメリットデメリット_健康リスク_葉酸の摂取量
図6:葉酸の摂取量の比較 (Davey et al. 2003)9
ベジタリアン・ヴィーガンダイエットのメリットデメリット_健康リスク_ビタミンB12鉄分不足
図7:ビタミンB12の摂取量の比較 (Davey et al. 2003)9
  • 葉酸:野菜や果物に多く含まれる植物性食品をメインで摂っているヴィーガンの人の方が摂取量が多い。
  • ビタミンB12:動物性食品に多く含まれる肉や魚を摂取する人では摂取量が多く、ヴィーガンの人は明らかに摂取量が少ない。

この記事の冒頭の章で、ベジタリアンダイエットの種類をご紹介しました。ベジタリアンと言っても、いくつか種類があるので、ベジタリアンの種類によって、ビタミン・ミネラルの摂取量が大きく変わることがイメージできますでしょうか?

このグラフからも分かるように、ベジタリアンでもペスカトリアン(魚OK)ラクトオボベジタリアン(卵・乳製品OK)では、特にビタミンB12はかなり改善され、サプリメント等で栄養を補っていない場合は健康リスクを減らすことができます。

その他、ビタミンB12と同様に動物性食品が不足・摂取ゼロになると、下記のような深刻な健康リスクが高まります。各種栄養素の機能については省略させていただくので、気になる方はグリコの栄養成分ナビをご参考ください。

  • 鉄不足(特に女性や子供で深刻)鉄欠乏性貧血
  • 葉酸・ビタミンB12欠乏ビタミンB12欠乏性貧血と葉酸欠乏性貧血
  • ビタミンB12欠乏(特に妊婦や授乳中の女性で深刻)
  • オメガ3不足(特にヴィーガンの人で深刻)動脈硬化のリスク上昇・鬱症状のリスク上昇など
  • カルシウム・ミネラルの不足(特に乳児や子供で深刻)骨密度の低下・低身長など

まとめ

今回は、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットについて解説いたしました。

日本人にとってのは、“和食”といった食文化がありますが、動物性食品に溢れている欧米の食事スタイルでは、ベジタリアン・ヴィーガンダイエットが健康オプションとして定着していることが、日本との大きな違いかもしれません。

少し専門的すぎる内容ですが、欧米では主流のベジタリアンやヴィーガンダイエットを通して、健康的なメリットやデメリット、そして環境的なメリットなどが少し理解していただけたら嬉しいです。

栄養面だけにフォーカスして栄養アドバイスや改善方法をアドバイスすることだけが栄養士の役割ではなく、今後、国際的には求められている栄養士の役割には、地球環境保護・人口増加に向けての食糧安全なども含まれています。日本の栄養士業界や栄養士養成施設では、調理スキルやレシピの開発がいまだに主流ではあると思いますが、欧米の栄養学を学ぶことで、日本の栄養士としてとても多くの気づきがありますので、ぜひ参考にしてみてください。

今後も、引き続き、日本の栄養士・管理栄養士教育課程で学ばないシリーズを更新していきたいと思います。

References 引用
  1. Vegetarian diet: How to get the best nutrition’, n.d., Mayo Clinic, viewed 24 February 2023, https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/vegetarian-diet/art-20046446.
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  3. ‘The Pescetarian Diet’, n.d., viewed 24 February 2023, https://www.todaysdietitian.com/newarchives/040715p32.shtml.
  4. ‘Vegan Taiwan: Religions and Spiritual Groups in Taiwan’, n.d., viewed 24 February 2023, https://vegantaiwan.blogspot.com/p/religions-and-spiritual-groups-in-taiwan.html.
  5. Ritchie, H, Rosado, P, & Roser, M, 2017, ‘Meat and Dairy Production’, Our World in Data, Retrieved from https://ourworldindata.org/meat-production.
  6. ‘Animal-based Foods are More Resource-Intensive than Plant-Based Foods’, n.d., World Resources Institute, viewed 25 February 2023, https://www.wri.org/data/animal-based-foods-are-more-resource-intensive-plant-based-foods.
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  8. Baden, MY, Liu, G, Satija, A, Li, Y, Sun, Q, Fung, TT, Rimm, EB, Willett, WC, Hu, FB, & Bhupathiraju, SN, 2019, ‘Changes in Plant-Based Diet Quality and Total and Cause-Specific Mortality’, Circulation, vol. 140, no. 12, pp. 979–991, doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.119.041014.
  9. Davey, GK, Spencer, EA, Appleby, PN, Allen, NE, Knox, KH, & Key, TJ, 2003, ‘EPIC-Oxford: lifestyle characteristics and nutrient intakes in a cohort of 33 883 meat-eaters and 31 546 non meat-eaters in the UK’, Public Health Nutrition, vol. 6, no. 3, pp. 259–269, doi: 10.1079/PHN2002430.
  10. Weikert, C, Trefflich, I, Menzel, J, Obeid, R, Longree, A, Dierkes, J, Meyer, K, Herter-Aeberli, I, Mai, K, Stangl, GI, Müller, SM, Schwerdtle, T, Lampen, A, & Abraham, K, 2020, ‘Vitamin and Mineral Status in a Vegan Diet’, Deutsches Arzteblatt International, vol. 117, no. 35–36, pp. 575–582, doi: 10.3238/arztebl.2020.0575.

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